中学生の子供に対して「ゲーム、携帯を禁止する。」とお父さんは言いました。全教科の平均が60点という成績を知ったからです。

これで子供の成績は上がると思いますか?あなたがこの子供の親だった場合、その成績を聴いたときにどのように子供に接するでしょうか?

人は社会(他人)とコミュニケーションを取りながら生きていくため、世の中このような問題があふれています。

今回もEQリーダーシップを援用して考えたいと思います。

リーダーシップは経営学の中でも重要な一角を占める分野ですが、最近は新聞や書籍でも頻繁に目にしたり耳にしたりします。ただ、まだまだ組織に実装されている現場は多くありません。

私はリーダーシップを一言で表すと「人をやる気にさせ、成果を出すこと」と理解しています。(少し前までは「人をやる気にさせる」ことととらえていました。)つまり、子供をやる気にさせ成績を上げるためにはリーダーシップ能力が必要です。

 

リーダーシップを要素分解して考える~型~

私の会社は外部環境の変化によって激しい業績の変動がありました。勤め先でのビジネスフェーズの変化を身をもって体験し、それに合わせた組織文化とリーダーシップの変化が必要だと感じています。リーダーシップと言ってもどんなリーダーシップが必要なのか、次の6つの型に分解して考えます。

leadership

変革期にはビジョン型のリーダーシップが特に必要になります。表の右列の例に挙げたリーダーは組織のフェーズやメンバーに合わせて実行したことが成功の要因であると考えることができます。またこれらの稀有なリーダーは、自己の感情をコントロールして複数のリーダーシップの型を使い分けることができます。

子供の話題について考えますと、そもそも子供が成績を上げるという目標にそこまで魅力を感じていないかもしれません。そこで成績を上げることを願う親は、ペースセッター型、強制型ではうまく子供のやる気を引き出すことができません。ペースセッター型、強制型の2つは特殊な状況で有効で使い方を誤ると負の影響がでます。

この場合ビジョン型リーダーシップによって、勉強の目的を親が共感を得られるように表現することとコーチ型リーダーシップによって、子供の人生観や価値観、何がやりたいのかをしっかり聞いてあげることが必要なのではないでしょうか?

私は子供に対して長期的に成長を願うべきであって、外発的動機づけによって学校の成績向上を押し付けることは子供のやりたいという才能と創造性を奪うことになると考えています。これは社会にとって良くないことだと思っています。

親の焦る気持ちで子供に接するとマイナスの効果になりかねません。

 

リーダーシップを要素分解して鍛える~能力~

リーダーシップ能力は鍛えることができます。具体的にどのような能力や技術を鍛える必要があるのかを考えたいと思います。人は感情で動きます。リーダーシップは「人をやる気にさせる」つまり感情のコントロールが必要になります。そこで感情のリーダーシップを次の4領域に分けることができます。

①自己の感情を認識する
②自己の感情を管理する
③他人(社会)の感情を認識する
④他人(社会)の感情を管理する

まずは「感情の自己認識」することから始まります。上司、友人、恋人、家族と話しているとき、自分の脳がどのような状態になっているか、興奮状態にあるかどうかを冷静に把握してみましょう。それぞれの領域のコンピテンシー(行動特性)は次のようなものがあります。

competency

リーダーと言われる人材はこれらのコンピテンシーを多数持っています。

リーダーシップ能力を鍛えるには、これらのコンピテンシーに沿った行動を繰り返し反復する必要があります。身の回りには鍛える場がありますが、身につくには時間がかかります。例えば仕事、部活、サークル、ボランティア、地域社会、子供の教育、恋人との会話など多くの機会があります。進んで仲間と活動し、それを通じて自己の感情がどう変化しているのか認識する訓練からスタートです。家の外に出て何度も練習しましょう。

分析:だーくろ
参考:『EQリーダーシップ』