どうもこんにちは。久しぶりに登場のざわかみです。だいぶん過ごしやすい季節になってきましたね。私は外回りのため、9月いっぱいはひとりクールビズを実施しています。
さて、最近私は「行動経済学」という学問にはまってそれに関連する本ばかり読んでいます。
行動経済学は従来の経済学と心理学をミックスさせたような学問です。なにより人の思考の「癖」(行動経済学ではこれをバイアスと言います)に着目している点が非常におもしろいです。
例えば「あなたは平均より車の運転がうまいと思いますか?」という質問をするとなんと驚くことに過半数の人が「平均よりうまい」と答えるんですね。「過半数が平均よりうまい」というのは数学的に見てもありえないことはすぐに察しが付くところです。
同じように「起こって欲しい確率は大きく見積もり、起こって欲しくない確率は小さく見積もる」という思考も、我々人類が「共通して持っている思考」のようです。
宝くじを買う人は「当たる」と思って買いますよね?つまり当たる確率を大きく見積もっているということになります。「外れる」確率の方が圧倒的に高いにも関わらず、です。そりゃあみんな宝くじが当たったらいいと思っていますから、その確率を大きく見積もってしまうのもうなずける気がします。
就職活動をして、いざ社会に出ようとしている学生のみなさんはどうでしょうか。華々しい社会人生活が送れることを信じている人は多いんじゃないかと思います。かく言う私もすばらしい社会人生活を送れるものと高をくくっていました。
ところが、です。先ほど述べたように「起こって欲しい確率を大きく見積もる」という例の思考が頭をもたげてきます。つまり私がそうであったようにみなさんが充実した社会人生活が待ち構えていると思うのはまさに「起こって欲しい確率を大きく見積もる」ことに他ならないのです。
実際に充実した社会人生活を送れる確率はみなさんが思っているよりもずっと低い可能性があるんですよ。
多くの人は、入社後しばらくして「思っていたのと違う・・・」というように感じると思います。私も周りでよく耳にする言葉です。
問題は思うようにいかないときにどのように対処するか。これに尽きると思います。
思い描いていた理想にちょっとでも近づくために努力できる人、まわりの環境に原因を求めて、新たな環境を手に入れようとする人。
10人いれば10通りの選択肢があると思います。
ただどうでしょうか、環境に原因を求めて「新しい環境になれば事態は好転するはずだ」と考えて転職しようとする人は「その確率を大きく見積もっている」のではないでしょうか?
「こうなったらいいのにな」の確率を大きく見積もっても事態は好転しません。
結局は自分が努力して、事態を好転させるというのが遠回りなように見えて実は最も近道なのかもしれませんね。